公開日: |更新日:
インプラント治療は、失った歯の代わりに人工歯を埋入して噛めるようにする手術です。入れ歯よりも咀嚼能力が高く、見た目も自然できれいに仕上がるといったメリットがあります。最近になってインプラントに興味を持たれた方も多いかもしれません。ここでは、インプラントの歴史や実際の治療法、基本構造などをまとめましたので参考にしてください。
インプラントの歴史はとても古く、記録によれば、紀元前3世紀ごろの古代ローマ帝国時代の人間の骨から鉄製のインプラントが発見されています。これが人類最初のインプラントとされています。
現代におけるインプラントが歯科治療として本格的に導入されたのは1965(昭和40年)年です。この年、スウェーデンの研究チームにより、チタン製のインプラントを用いた症例が報告されています。これ以降、インプラント治療はテクノロジーの進歩に合わせて発展を遂げていき、多くのメーカーから様々なインプラントが発売されるようになりました。なお、日本でインプラント治療が開始されたのは1983年(昭和58年)です。
インプラントは、失った歯(天然歯)の代わりに人工歯を埋入して歯とする治療法です。歯を失った部分の顎骨に特殊なドリルで穴を開け、人工の歯根を埋入し、その上に上物(人口歯)を装着して完成させます。
治療法には、外科手術を1回行う「1回法」や、手術を2回行う「2回法」などがあり、患者さんの状況に合わせて適切な方法が採用されます。この他、歯槽骨を再生する「GBR(骨再生誘導法)」や、手術当日に仮歯を装着する「即時荷重法」、最小4本のインプラントが一体になった人工歯を装着する「オールオン4」など処置の仕方は様々です。
インプラントの構造は、「インプラント体(人工歯根)」「アパットメント(支台)」「人口歯(上部構造)」の3つの部分から成り立っています。一番下はインプラント体です。文字通り人工歯根として顎骨に埋入されるもので、天然歯根の代わりに人口歯を支えます。その上はアパットメントです。
アパットメントはインプラント体と人口歯を繋ぐ連結部品の役割を担います。素材にはチタンやチタン合金が使用されることが多いです。
最後に、インプラントの一番上に来るのは人工歯になります。これはアパットメントの上に被せる、目に見える部分の人工歯です。
人工歯根・アパットメント・人工歯まで含めたインプラントシステムのメーカーは世界中に多くあり、製品は100種類以上に及ぶと言われています。日本では30種類のインプラントシステムが販売されており、その多くは外国メーカーの製品です。30種類のうち代表的な4種類として、「ノーベルバイオケア社」「ストローマン社」「アストラテック社」「ジンマー・バイオメット・デンタル社」の名が挙げられますが、この4社が提供するインプラントシステムは日本の歯科医院でも使用されています。ちなみに、国産メーカーで高いシェアを占めているのは「京セラメディカル」と「アドバンス(AQB)の2社です。
長谷川歯科医院
※治療費は歯1本あたりの金額です
TEL:0798-67-8660
ヒロデンタルクリニック
※治療費は歯1本あたりの金額です
TEL:0798-65-8888
むらまつ歯科
※治療費は歯1本あたりの金額です
TEL:0798-38-4443
■インプラント治療とは:歯周病等が原因で歯を失った場合に行われ、あご骨にインプラント体を埋め込み、その上に人工の歯を取り付ける治療法のことです。インプラントの治療法は様々な種類があり、当サイトで紹介している治療法はあくまでも一例になります。口腔の状況によって治療方法も大きく変わるため、治療前に必ず担当医師にご相談をお願いします。
■費用相場と治療期間:インプラントは基本的には自由診療です。費用相場は「精密検査・受診料金」が約15,000~50,000円。「インプラント外科手術費用」が約100,000~385,000円。「人工歯の費用」約100,000~150,000円です。また、インプラントの一般的な治療期間は、骨量が十分にある場合は約3~6ヵ月。骨量が少ない場合は、骨造成を手術前に行う必要があるため、さらに3~9カ月ほど必要になります。
1人ひとりの症状や、クリニックの方針などにより、費用や期間は異なります。詳細は各クリニックに直接お問い合わせください。
■副作用・リスク:インプラント治療のリスクは、金属アレルギーの恐れおよび合併症があります。合併症はインプラント周囲炎、上部構造のトラブル、上顎洞炎(副鼻腔炎)、神経麻痺(下歯槽神経麻痺など)、インプラントの上顎洞内迷入などで、特に感染が問題になっています。不安な点については各クリニックに直接ご相談ください。
■未承認医療機器について:インプラント治療で使用されるインプラント器具の中には、厚生労働省未承認の器具を用いる場合があります。入手経路、国内承認医薬品の有無、安全性に関する情報などは、治療に使用する器具やインプラント、それぞれのクリニックによってによって異なりますので、詳細は医師に直接ご確認をお願いします。